ホタルが自然に飛び交う昔ながらの風景はいいものです。
 しかし、ホタルはいいが蝿やアブ、蚊はだめ。蝶々はいいが蛾はだめ。鈴虫はいいがカメムシはだめ。トンボはいいが蜂はだめ。・・・・しょせん人間のわがままの延長線上に今のホタルブームがあるような気がします。                                                         ホタルが飛ぶには農業にとって非効率な小川が必要ですし、トンボが飛ぶには蚊などの小昆虫が餌として必要です。蝶が飛ぶには売り物にならない野菜が残ります。 結果として農業や生活の効率化と引き換えに自然が失われています。 視点を変えると、人間の存在そのものが自然の一員なのだから人間の行動全てが自然であるともいえます。ビーバーがダムを作るのは自分の生活圏を確保するためであり、誰も自然破壊などといいません。でも人間がダムを作ると自然破壊と叫ばれます。要は、どこでラインを引くかということで、良い悪いは人間の感情や都合 で左右されるものなのですね。




        

セミを追い掛け回し、やっと捕まえてカゴにいれ宝物のように眺めても翌日には飽きてしまう。トンボを捕まえて羽を半分切って飛ばしヨロヨロ飛ぶのを面白がって遊ぶ。カブトムシにヒモを付けマッチ箱を引かせて遊ぶ。等々、昔の子供にとって昆虫は宝物であり遊び相手でありおもちゃでありました。数日後には死んでしまい、無造作にゴミ箱に捨てられもしました。
 子供の成長過程でそれも大切な経験だと思うのです。そしてそれは太古より行われてきたに違いありません。






        

夕食もそこそこに、近所の友達を誘い竹箒をもってホタルを追いかけ、捕ったホタルを枕元において幻想的な光の中で眠り、夢を見ることのできた年代は幸せです。今、ホタルがいっぱい飛び交うホタルの名所ほど捕ることも触ることもできません。「きれいだね」といって見て帰るだけです。幼い頃、ホタル捕り経験のある大人はノスタルジアに浸って満足でしょうが、それでは子供たちが可愛そうではありませんか。触ってホタルのか弱さを実感し、手の中で輝く光に歓喜し、その独特な匂いを確かめ、幻想的な光を見ながら眠りにつく。そんな経験を与えてあげたいとは思いませんか?






        

一部の学校や地方自治体、篤志家がホタルの人工飼育に取り組んでいます。カブトムシなど、養殖による大量生産が可能となって誰でも簡単に手にすることができるようにった昆虫もありますが、ゲンジホタルの飼育は 水温や食性など幼虫管理がネックとなり、通常の商品ルートには乗れていません。しかし、要点を掴めばそれほど難しいことではありません。当所では水槽での飼育や人工小川での飼育 を通して、「卵から育てるゲンジホタル養殖」を実践しています。親子で楽しむもよし、趣味とするもよし、あなた流でゲンジホタルを育ててみませんか? 自治体、教育施設、各種団体、旅館、個人の方々などへの飼育指導及び幼虫の譲渡も行っています。
 今のホタルは「自然保護」の名の元に祭り上げられて少し窮屈な気がします。特別扱いされるより身近な存在にしたほうが結果としてよいのではないでしょうか? 見るホタル名所より、子供がホタルに触れたり(たとえ2〜3匹でも)捕ることのできる場所が増えて欲しいものです。それには「ホタル名所」を作るより、規模は小さいが身近でホタルが見れる場所、捕る事の出来る場所を多く増やす必要があります。昔のように身近な場所で普通にホタルが舞い、子供らが嬉々として追いかける時代が来て欲しいものです。
 また、「固有種を守る」という主張でホタルの移動はおろか飼育さえも否定的な方々がおります。ホタルが生息していない川に放ってはいけないし、僅かに生息してる川に放流するのも厳禁だそうです。遺伝学的な固有種論を持ち出すなら、活動範囲の狭い生物全てが当てはまります。まるでブラックバスを放流して 湖沼や川の生態系を激変させてしまうような論調でホタルを論ずるのは如何なものかと思います。
 


 


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