カ ワ ニ ナ の 棲 む 川 川 
山紫水明の信州 ・ ・ ・でも、のどかな田園風景だったのは昔の話で、今はアスファルト道路に3面側溝の水路。

水稲栽培の効率を考えると、こういう形になるのはやむをえないのかも知れません。でも、カワニナにとってはこういう水路は決して悪い環境ではないのです。

水田の区画ごとに仕切り板で水路から水田に水の取り入れ口があり、その仕切り板をオーバーフローすることで水中に酸素が取り入れられます。

上の同じ水路でも水田の各スパンごとに環境が違うらしく、カワニナの発生数が極端に違います。少し劣化した水路のコンクリート壁のゴツゴツが表面積を大きくしてカワニナの好きな珪藻類が繁殖し、カワニナがびっしり張り付いています。
 

壁面の下、水深20センチくらいの水路の底面にも多くのカワニナがうごめいています。

同じ水路でも水田の区画が違うとカワニナの数は激減します。上の写真と数メートル離れただけでこの違いです。壁面、底面共にわずかに確認できるだけです。

除草剤を撒く水田と撒かない水田。水路掃除をする人としない人。原因はいろいろあるかもしれませんが年間を通して観察していないので、はっきりした因果関係は掴めきれていません。

秋になり、稲刈りが始まる頃には水田脇の水路は水を止められてしまいます。

カワニナの貝殻が水面から出る程度の川底にはカワニナがひしめきあっています。川底に土砂などがあればその中に潜って春を待つことが出来るのに、夏に水路の掃除をして川底の土砂を取り去ってしまったようです。この水路は3面がコンクリートなので、このままだとカワニナたちは鳥にたべられるか冬の温度低下で凍死しするしかないでしょう。

これは用水と呼ばれている少し大きな水路で水量も多く、川幅2m、水深1m。上方に水田に水を引き込む仕切り板があり、その下は水が落ち込み酸素が多く取り込まれています。
そんな水の落ち込みのすぐ下流の壁にはカワニナが多く生息しています。でも、多いのは落ち込み近辺だけでちょっと下ると極端に減少してポツン、ポツンと張り付いているだけです。
ここは、すこし山に入った小さな渓流です。水はきれいで冷たく、石の間を通る水は酸素を多く取り入れて流れています。ゲンジホタルが舞うにふさわしい場所と勘違いされる方も多いと思います。
近付いてみると石にはカワニナはおろか、何にも張り付いていません。カワニナはこんなきれいな環境には棲めないのです。理由は簡単で、カワニナの餌が無いのと冬の寒さ、それに大水が出ると石が動きカワニナが潰されてしまうから、このような環境では生存することが出来ません。
今回はたまたま水田の水路でのカワニナを紹介しましたが、水田に限りません。水田用の水路は、稲が稔る秋になると水を止めてしまう場所が多くあります。このような水路にはカワニナは棲んでいません。一年を通して水が流れている水路を探すことが大切です。
カワニナの棲んでいる場所を見つけたら根こそぎはやめましょう。全体数の半分を捕ると来年度は生息数が激減してしまいます。全体の3割くらいを捕ったら来年用に残してください。そこが自然のカワニナ養殖場なのですから。

 

 

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